このページでは,「命題」について説明します.命題は数学の主張の主体です.
目次
命題とは
命題とは
数学的に正しいか正しくないかが(迷いなく)判別できる主張を命題といいます.数学的に正しい命題を真の命題,数学的に誤った命題を偽の命題といいます.
命題の真偽について,分かりやすく記号や値を割り当てることがあります.それが真理値です.
定義:真理値
真の命題にT(または1),偽の命題に F(または0)を割り当てたこの値のことを真理値といいます(それぞれtrue, false に由来).
例:命題の例
- $1+1=2$ は命題です.これは正しい,真の命題です.真理値はT(1)です.
- $1>2$は命題です.これは誤っている,偽の命題です.真理値はF(0)です.
- 「1億は大きい数である」は命題ではありません.「大きい数」というのは,価値観によるからです.これが「1億円」のうな話であれば大きい数(金額)になるかもしれませんが,「ハイパーインフレ時の1億ジンバブエドル」だと大きい数(金額)とはいえないでしょう.このように,曖昧で言葉の定義が1通りに定まらない用語は数学では議論のは対象にはならず,命題にはなりません.
- 「1億は1万より大きい数である」は命題で,真の命題です.この「1万より大きい」は不等号を用いて「1億$>$1万」議論できるように,数学的に正しい主張だといえます.
数学の世界地図.net(マプマス)